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 書きたくなった時に書いて放置しておく処。 好き勝手に書いてるわりに誰かに見てもらいたい願望あり。 染み込む白き沈黙へようこそ
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最近、いやたまには素直に白状するとずっと前から
君の夢ばかり見ます

蝉のけたたましい命の叫びから
秋の虫達の麗しい愛の歌へと題目が変わりつつある頃合。

「どっちもやってることは同じだけどね…」

無造作に寝返りを打って独り言。
慰めのつもりではないだろうが、親愛なる同居人が一言相槌を打ってくれた。

「種の存続、彼らはそのために生きてそのために死ぬんだ。」

もし、命を削ってまで叫ぶことなくひっそりと静かに生きれば
彼らはもっと長い間生きられるのだろうか。
あぁでも、彼らは冬を越えられない。
長く生きても意味がない。
それではなんの意味もない。

「ぼくは…」

そこでクスッと口元を歪ませる。
土砂降りとはいかないまでも小降りではない雨の隙間から
かすかに聞こえる蝉の声は真夏のそれとまったく変わらない。
彼らは、生きてる。
命を削って、生きようとしてる。
そして死ぬんだ。

何を、今更。

「眠いよ…すごく」

さっきまで眠っていたのに眠くて仕方がなかった。
ついさっきまで言いかけたことはもう思い出せない。
あぁ、眠たいなぁ…
盛大に欠伸をして、また寝返りを打つ。
ころころ転がってベットの中心へ、無駄に大きなこのベットはどこも
ふかふかでそれが心地良くてそして不安だったりする。

「眠い…」

わずかな動きにもベットは軋む。
ぎしぎしと揺れるベットとは裏腹に彼女の動きはひどくしなやかだ。
浮き沈みの激しいシーツの海、易々と滑るのは漆黒の船。
そんな想像は少し面白かった。
ふと感じたのは温もり、僅か目を見開いてゆっくりと落ちて行く。

「どうしたの…?」

珍しいね、君がそういうことするの。
そう言って火照ってきた手でゆっくりと撫でた。
一緒に住んでしばらくになるが、彼女が自らこうした行動に出たことは
片手で足りるぐらいの回数しかないように思う。
いつもボクが彼女に纏わりついて彼女は仕方なさそうにでも付き合ってくれる。
君も手のかかる同居人を持ったもんだよねぇ?
なんて他人事みたいに言うボクの腕の中で耳の先っちょだけ白い黒猫は
早くも夢の世界に旅立ってしまった。
あいかわらず寝つきのいいこと、そしてあいかわらず寝つきの悪いボク。

「眠いんだけどなぁ…」

さっきから閉じたり開けたりを繰り返している瞼も疲労気味。
重力に従ってゆるゆると落ちるのに最後まで閉め切れない。


”怖いんですか?”

「どうだろ…でも、目が覚める瞬間と…目を閉じる瞬間は…なんか嫌い…」

”それで、いつも寝つきと寝起きが悪いんですね”

「そうだね…昔からそうで…母上には苦労かけちゃったかなぁ…
夜泣きとかもね…ボクすごかったらしいし…」

”イズモが?”

「うん…泣いてる記憶がね…あるんだ、ぼんやり…ずっとずっと泣いてるの…
それで…母上が付きっきりであやしてくれてるの…」

”よく泣く子だったんですね”

「んーそうみたい、だね。でも今思うと…なんで夜泣きなんかしたんだろ…」

”だって、赤ちゃんの時の話でしょう?”

「そう、だよ。でもさ…目を閉じる時も、目を開けた時も、
傍に大好きな人が、いてくれたのに…なんでぼくは、かなしかったんだろ…」

呼吸が、しずらい。

「なんで…ぼくは、あんなにないたんだろう…」

”イズモ”

「目を開けて…いっきに流れ込んでくるものが…全部ぜんぶ、かなしくて…
どうしたらいいのか、わからないのに…なんで、ぼくは…目が覚めて…」

”イズモ”

「目…閉じて、見えない…何もない…ボクだけだって…そう思うと…
でも閉じてるから…流れない、でしょ…?」

”イズモ”

瞼が温かかった。
じわりと滲んで、広がって染み込んでいった。

”おやすみなさい”

「おやすみ…」



「おはようは、なし…?」

目を擦りながら身体の気だるさで覚醒を自覚した。
いつから眠っていたのかなんて最早どうでもいい。
だってもう起きてしまった。
滑稽なぐらい無自覚のうちに眠りに落ちてそのまま起きてしまった。

「おはよう…」

先に起きていた同居人に挨拶を。

「おはよう…」

目覚めた瞬間からきちっと行動出来る人間に、ボクはならないでしょう。
自分が目を閉じているのか開けているのか、時々わからなくなるような人間
なのだから。

”おはようございます”

おはよ…
ぼく、起きてるよね…?






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玉兎
性別:
女性
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実質的な生産性がない職業
自己紹介:
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でも嵌ると爆走
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