忍者ブログ
 書きたくなった時に書いて放置しておく処。 好き勝手に書いてるわりに誰かに見てもらいたい願望あり。 染み込む白き沈黙へようこそ
2025-021 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 prev 01 next 03
1  2  3  4 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

あれが在るから
あれが在るから悪い

あれがきみに繋がり
あれがぼくをけしかける

マッチを擦って
なん本も
握り潰す
ジュッと焼け焦げた
手が生々しく
潜んだ路地裏の住人がブラリ
もったいないとよこす煙草に火をつけた。
ニヤリと笑い
またマッチを擦ってはけしをする僕に
煙草をくわえたまま言った。

『俺ガケテヤロウ?』
紫煙向こう指差す先

僕は応えて
『アレ手ヲ出シタラ殺スヨ
空になったマッチ箱を潰して投げた。
ごみ溜めにごみを

肩を竦めては遠ざかる背中の向こう
日の出の空は濁りが目立つ。
光が刺す前に帰ろうと足元の屑を蹴って進んだ。
PR
「愛し愛されたことのある狂人ほどイカレてるものってないと思うんだ。」

それはいつも唐突で
準備は完璧であり
カーテンは閉じられたまま
幕は開けられた

薄暗い部屋
椅子が二つ、向かい合って
片割れの緩い曲線を描く脚がギシリと軋み
カタンカタンとわずかに浮いて微妙なバランスで元に戻る
一方の 静寂
向かい合って座るのは―ヒトガタ
床に着かない足と
膝を抱えて軋みで遊ぶのと

「人と触れ合ったことのない人が、人を知らない人が、人を信じたことの
ない人が、他人に対して何が出来るって言うの?
どんなに奇怪な行動をしたって、所詮「おかしい」でしかないんだ。」

そんな人間おかしいから
ほとんど動物扱い
ぎゅっと力を込めてますます膝に顔を埋めるから
声はくぐもるばかり、姿は小さくなるばかり
それでも声が通るのは相手が聞き上手なためと、ほかに何もないから

「おかしいのがイカレるんじゃないの。
おかしいって思ったからイカレちゃうの。
あぁ違うかな、でも…―うん、だってね。あーたぶん、そう…」

雑音が混じる。
カタカタと肩を揺らして
ぶれた。
ギシリギシリと軋む音は
カタンカタンと小刻みに震え

パタリと落ちる。

「…死んじゃった。」

ゆかは海で、ひとくいザメがいるから
おちたら負け
高いところにいないと食べられちゃうから
高いところにのぼればセーフ

「ちょっと痛かった。」

周りはクッションの海
無造作に投げ出した身体は沈まずに弾むだけ
軋んで ずれた

ギ、ギギギギギギギギギギギギギギギギギギ
這いずって
向こうの椅子まで
脚は動かしちゃいけない。
あしは食べられちゃったから
はやく向こうに行かないと

「助けてよ。」

手を伸ばす。
ぼくまだ半分いきてるよ。
手、あるからつかんでよ。
あしはもうなくなっちゃったから
ぼくあと半分しかない
半分もないかもしれない
ねぇ、ぼくをたすけてよ。

しっかり つかんでよ

「捕まえた。」

ぎゅっと頭を抱きかかえる。
ギシリと軋んだ。

「君はボクを引き上げてはくれないね。」

本来腰を据える場所に肘を付いて、両腕で包み込めるその身体に
しっかりとしがみ付いた。
縋りついた。

「あのね、あのね…えっと…」

耳にあたるその場所に、必死に口を寄せて
腰から下、引きちぎられた肉と止まらない血
耳まで赤く染めて、はにかむように

「友達が、帰ってくるんだ。」

すくっと立ち上がる。
タッチで交代
君は鬼になれないけれど

「ねぇ太郎丸、ボクすごくうれしいよ。」

うん、ごめんね。
かなかな本題に入らないの、すぐはぐらかしちゃうの、ボクの癖だね。
でもすごくうれしくて、誰かに聞いて欲しかったんだ。

くるくると回る。
軽やかに、倒れた椅子をまたぎ越し散らばったクッションの間を
くるくると舞っている。

「大好きなんだ。ねぇ太郎丸、ボク大好きなんだ。」


「どうしようか」

鼻をくっつけるように、囁いて押し殺したように笑い出す。

「みんな大好き。もちろん太郎丸も。あーでもちょっと違うかな。
太郎丸はね…」

誰にも聞こえない声で
君にも嘘をついてあげる。
不愉快な真実?とんでもない。
不可解な事実よりも、さらに甘美なものですよ。


頭(かしら)がギシギシと不穏を告げる
優しく抱き寄せてもぎ取るように強く求めた
 
君の中に留まればいい
君のどこに心があるかボクは知っている
君の中に隠しておけばいい
君は君はボクの―………だ。
「あの…イズモ、様?」

「なぁに?シュッちゃん」

きょとんと下から見上げられる。
うっと言葉に詰まること計3回、ほぼ同じやり取り。
双子の片割れに見送られてからそう時間も経っていない、はず。
あれこれと思考を巡らせているうちにクスッと小さな笑い声

「可愛い」

こと片割れも含めた自分達にこの言葉はあまり歓迎されないと知っていての、
このタイミング、こちらがバッと顔を上げた時にはもう前に向き直っている。

「あ、お店閉まっちゃう。」

至極正論からかい風味
パクパクと口を開いているのは空気が足りないから
と思いたい。
さっきからうまく言葉が繰れないからではない、と。
あわてて歩調を合わせながら顔の熱が引かないことをとっくに自覚していた。


「―…っっ!!」

久方振りに口をついたのは声にならない声。
ピタリと動きを止めた背中にぶつかりかけて、つんのめりかける身体を
なんとか後ろに踏み留める。

「すみませ…」

「あのさ、シュリ」

多少擦れてしまった声を遮ったのはケロンとした風で振り向いて
そのくせなんだか真剣なように見える人。
別の意味で、言葉に詰まる。

「はい…」

「シュッちゃんも可愛いけどシューちゃんも捨て難いと思うんだよね。」

「はぁ…」

もうヘタリこんでいいでしょうかと、聞こうか本気で考えた。
疲れた。
まだ目的も果たしていないのに
こんな夕暮れの道のど真ん中で

「あの…イズモ、様」

「なぁに?シューちゃん」

さっきからコロコロ呼び方が変わるのも
いつもは息つき暇もないぐらい喋ってくれるのに今日に限って口数が少ないのも
自分の前を歩くのも
緩く手を繋いできたのも

全部わざとだってことぐらい、いい加減気が付いてましたから。

「急ぎましょう?本当に急がないとお店が閉まってしまいますから。」

「そだね。」

多少の嫌味だって許されるはずだ、だってとても満足そうに笑っていたもの。
そう結論を出し、自分の後ろでとりとめもない話をさも楽しそうに語る声
に耳を傾け相槌を挟みつつグイグイと手を引いて町に急いだ。

きゅっと握り返したきた感触にもうため息しか出ない。
だから、やや顔を俯かせて走る。

「ねぇ、シュリ」

「なんですか?イズモ様」

「今日晩ご飯なんだっけ?」

ピタッ

「………っと」

きゅっと綺麗にブレーキをかけたのが、背中からの気配でわかった。
勢いつけて引っ張ってきたところをいきなり止まってしまったことの謝罪や
同じストライダーでありながらのその反応力に対する賛美が
口に届く前にフリーズして消えていく
違う違うそうではなくて、

「メモ…」

「メモ?」

「買い物メモ…忘れて、きました。」

自分の一言から、これからの未来をざっと思い描く。
まず、「おつかいも出来ないの?」と片割れに詰られ
夕飯抜きになり掛けたところを、おそらく(絶対)後ろでニコニコ(ニヤニヤ)
しているであろう人物の取り持ちでなんとかあるもので夕飯を済ませ
そして本日の洗い物当番に自動的に決定されており
食器を洗う後ろから二人の談笑が聞こえ…

「あるよ。」

「へ?」

我ながら間抜けな声が出た。
今度出所を調べてみよう。

「キリちゃんの買い物メモ、ボクが持ってる。」

これはあれだろう。
してやったり顔

「帰りは並んで帰ろうね?」

「……荷物は、私が持ちますわ。」

この人を連れて
さっさと帰ろう。
カウンター
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
プロフィール
HN:
玉兎
性別:
女性
職業:
実質的な生産性がない職業
自己紹介:
ぴょんぴょん兎年
でも狐属性
されど猫好き
さっぱりカラカラ
ドライらしい
ゆるゆるダラダラ
でも嵌ると爆走
されど飽き易く
全体的にぬぼぉー
最新記事
(08/13)
(08/03)
(06/29)
ブログ内検索
バーコード
"玉兎" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]