身を滅ぼすこともすべてを捨てきることも出来ないなら、幸福に生きるしか術はなく

温かった。
これなら屋敷の奥でぼけぼけ二度寝三度寝を繰り返していたほうが
はるかに『幸せ』だったかもしれない。
あぁでも不幸せなことさえなかったのだから、本当につまらなかった。
本当に…冒険者って暇人だ。
でも暇がないと戦争なんて起きないんだから、暇人でいいのかな。

　今日はエメル姉さんと一緒に戦場に出て、それは嬉しかったな。
久々に怪我しないで戻ってこれたし、不満と言えばそうだけど。
ボク寝相悪いから怪我して動けないと辛いもんがあるんだよね～
なんにせよ久方振りに怪我人に、「安静にしてろよ～」って堂々と（ぇ）
言えるさー
まぁボクは突撃しなかったからね、キングスマインドなる金ピカロボが
出てくる前から撤退したくなってたし。

許されないという
それは彼女が自分の胸にナイフを突きつけたということで
絶対の罰を、約束されたということで
ボクならとても迷ってしまうだろう
どちらもとても捨て難い
快楽か幸福か
彼女かボクか
だから彼女が彼女のためになんの迷いもなく帰ってきたことを
ボクはとてもとてもうれしく思うんだ。